2007年新潟県中越沖地震の余震活動


07/07/16 HPを開設しました
07/07/18 震源分布を更新しました
07/07/20 震源分布を更新しました
07/07/25 震源分布を更新しました
07/07/26 臨時観測点を加えて震源分布を更新しました
07/08/22 震源分布のアニメーションを作成しました


2007年7月16日に発生した2007年新潟県中越沖地震(M6.8)の臨時余震観測を行いました。
全国の8大学(東大地震研、北大、弘前大、東北大、名大、京大、九大、鹿児島大)によって、
46箇所のオフライン地震計と1箇所のテレメータ観測点が設置され、データ収録しています( 図1 )。
気象庁一元化震源によると震源の深さは10〜30kmの範囲に広がります( 図3 )が、
適切な速度構造(石油公団基礎試錘データを参考にしたもの)を適用し、観測点補正値を用いて
震源再決定すると、震源分布は7〜20kmの深さに浅くなります( 図4 )。
さらに、緊急に回収した一部の臨時観測点のデータを加えて、震源再決定を行うと
震源が集中し、北西傾斜の分布が見えてきます( 図5 )。
臨時観測点設置前に発生した本震や最大余震などの位置を精度よく求めるために、
これらのデータを用いてhypoDD法を適用して決めると、 図6 のような分布になります。
この余震分布の時間的な推移を知るために、期間ごとに発生した地震の累積を 図7 に示しました。
本震発生直後の数時間は北西傾斜の余震分布がほとんどで、
南東傾斜の余震は最大余震発生後に増加していることが明らかです。
この余震分布と地質構造とを対比させてみました( 図8 図9 )。


目次:



震源分布のアニメーション




図1 2007年新潟県中越沖地震の観測点分布
2007年新潟県中越沖地震緊急観測グループによって
余震域周辺にオフラインの地震観測点が展開されている。
16日18時過ぎに一点目の観測点が設置され、25日10時現在、
全国の8大学の研究者の手により47点の臨時観測点がデータ取得中。
▲:既設のテレメータ観測網(地震研、東北大、気象庁、防災科技研)
:臨時観測点(地震研、北大、弘前大、東北大、名大、京大、九大、鹿大)
:本震(M6.8)




図2 2002年〜2007年の地震活動
上図:2002年7月16日から2007年7月15日の地震活動
桃丸は中越沖地震の余震
中図:矩形内を南西方向から見た断面図(AB断面図)
下図:矩形内を南東方向から見た断面図(CD断面図)




図3 気象庁一元化震源とその断面図(北から35度東に回転)
左図:2007年7月16日から23日の余震活動(N=1341)
右上図:矩形内を南西方向から見た北東側のAB断面図
右下図:矩形内を南西方向から見た南西側のCD断面図




図4 既設テレメータ観測網による余震分布とその断面図(北から35度東に回転)
左図:2007年7月16日10時13分から26日13時33分の余震活動(N=320)
右上図:矩形内を南西方向から見た北東側のAB断面図
右下図:矩形内を南西方向から見た南西側のCD断面図




図5 臨時オフライン観測点のデータを加えた震源分布とその断面図(北から35度東に回転)
左図:2007年7月28日18時33分から22日5時42分の余震活動(N=490)
右上図:矩形内を南西方向から見た北東側のAB断面図
右下図:矩形内を南西方向から見た南西側のCD断面図




図6 hypoDD法による震源分布とその断面図(北から35度東に回転)
上図:2007年7月16日から24日の余震活動
左下図:矩形内を南西方向から見た北東側のAB断面図
中下図:矩形内を南西方向から見た南西側のCD断面図
右下図:矩形内を南西方向から見た断面図
本震は赤丸、最大余震は桃丸で示し、それ以外の余震は深さに応じて色をつけた。
図中の断層@、断層Aは、国土地理院による断層モデルである。




図7 余震分布断面図の時間変化
余震分布の断面図には北西傾斜と南東傾斜の両方が見られ、
南東傾斜の分布は最大余震発生後に活発化している。




図8 震源域周辺の地質概略図
産総研から出版されている5万分の1地質図を 元に作成した。
震源域東方の陸域には、北北東-南南西、および南北の断層・ 褶曲軸が卓越する。
また、日本海形成時の伸張テクトニクスを反映して、北西 -南東方向のtear faultが分布する。
この断層は、圧縮テクトニクス時にも影 響を及ぼし、逆断層の位置や傾斜の北西方向に不連続に変化する。
こうした褶 曲軸のずれは図の矢印で示した箇所や、太い破線で示した箇所で見られる。
最 南部は銚子-柏崎線と呼ばれる大規模な構造線である。
今回の地震は、こうし た地質構造の違いから北部と南部に分けられ、震源域の走向方向の分布は、
北西方向の構造不連続によって規制されている。
長岡平野西縁断層帯に含められ ている最南部の南北方向の活断層については、
北北東-北東方向の走向を示す 震源断層系とは異なる可能性が強い。




図9 本震・余震分布と地質断面の解釈図
震源域北部の断面に地質断面と重力異常値を重ねて示した
本震の位置から 約50度の北西傾斜で震源断層面を延長すると、
出雲崎から宮川に北北東に延び る高重力異常帯の付け根に当たる。
長岡平野西縁断層帯は図のNWFで、その下部延長は厚い堆積層の下部に
デタッチメントを有する低角度の衝上断層の存在 が推定される。
この低角衝上断層の深部延長は、地震学的に推定された震源断層に連続する可能性が高い。
より深い最大余震の震源断層は、本震の断層と T字型をなして接合している。
断面図は石油技術協会(1993)、地質調査所(1992)の油田ガス田図13、地質 調査所(1993)重力図4による。








このページに関するご意見は下記にお願いします

地震研究所 酒井慎一  coco@eri.u-tokyo.ac.jp