2021年5月8日 改訂

総合分析情報学コース 酒井慎一 研究室

総合防災情報研究センター(CIDIR)


  1. 最近の研究テーマ

  2. 観測データに基づく都市防災学



    いろいろと測ってみる ~ 人々の行動を促す情報 ~ 最善の行動を決めるために必要なこと

    • 災害時に、最善の行動するために必要な情報は、何なのだろうか
    • どんな情報を根拠に、人は行動を決めるのだろうか
    • どうしたら、その情報を得ることができるのだろうか
    • その情報を伝えるためには、どんな技術開発が必要だろうか
    • どんな表現が、人の行動を促すのだろうか
    • 何を見たら、全体の状況を把握できるのだろうか



  3. これまでの研究

  4. 地震計を使って、様々な場所でゆれを測ってきました

    • 大地震が起きると現地に行って、測っています
    • 火山地帯でも測っています
    • 海域でも測っています
    • 海外でも測っています
    • 空港でも測っています
    • ダムでも測っています
    • お寺でも測っています
    • 店内でも測っています
    • 小学校でも測っています
    • 住宅地でも測っています
    • サッカー場でも測っています
    • 海底でも測っています
    • 自動販売機でも測っています
    • 建物のフロアごとにも測っています
    • 一直線に並べても測っています
    • まとめて1000か所でも測っています
    • 自宅でも測っています



  5. 超稠密な地震観測

  6. 3ー1.谷根千周辺における地震観測

      谷根千および上野周辺の寺社20ヶ所以上に地震計を設置しました。

    • 設置場所は、1855年安政江戸地震時の被害記述のあった地点
    • 地点ごとの揺れの違いと被害の記述との対応の解明を目的とする
    • 地震計のない江戸時代で、震源や地震の規模を高精度に推定するため

    図:谷根千の観測点(2020.09.01~ )

    • 収録装置は、単1乾電池32本で、2か月半稼働。SDカードに保存
    • GPS時計内蔵、サンプリング:100Hz
    • 固有周期1秒の三成分一体式速度型地震計を地表に設置


    3-2.災害時に強い無線伝送式簡易地震計観測

      停電や回線断の時でも安定にデータ伝送し、瞬時に状況把握が可能。
      本郷キャンパスに20ヶ所以上に設置しました。

    • どこに測定機を置けば良いのか。  ~地表と建物の中
    • 何を測れば良いのか。       ~地震計だけで良いのか
    • どうやって伝送すれば良いのか。  ~災害時にも伝送できるのか</li>
    • その情報から何がわかるのか。   ~どんな処理や解析が必要なのか
    • 誰に向けて何を伝えれば良いのか。 ~受け取る人は、何を知りたいのか
    • その情報をどのように活かすのか。 ~何が大事な情報なのか

    図:本郷キャンパスでの観測

    • 地震計は、MEMS(加速度出力)。単1乾電池2本で、1年以上稼働
    • 近距離無線を利用して、隣の観測点へデータを伝送
    • 受信したデータは、また、隣の観測点へ伝送
    • 地震研に設置した集約装置まで、バケツリレー方式で送られる


    3-3.首都圏地震観測網(MeSO-net)

    • 首都圏の301か所に地震計を設置しました(首都直下地震防災減災特別プロジェクト)。
    • 首都圏の地震活動および首都圏における揺れを知るために展開しました。
    • 設置場所の多くは、小学校や中学校です。

    図:首都圏地震観測網(2008.01.17~ )

    • 20mのボアホールを掘り、その底に3成分の加速度計を設置
    • 加速度計は、±2G、200Hzサンプリング
    • データは、24時間365日、リアルタイムで伝送
    • 災害時に強く、バッテリーで3日間稼働、回線復旧後の再送機能


    3-4.鳥取県西部0.1満点計画

    • 鳥取県西部地震の震源域に1000台の地震計を設置。
    • 住宅、寺社、道路わき等、設置場所や手続きに関して、地元の多くの方々にお世話になりました。

    図:鳥取県西部・島根県東部(2016.04~2017.06 )

    • 上下動地震計(固有周波数は2Hzと4.5Hz)
    • 100HzサンプリングでSDカードに連続収録
    • 約8割の観測点で、1日に4回データ伝送
    • 単1乾電池48本で、1年以上の連続稼働



    全国の研究者と一緒に、各地に地震計を設置しました。

    • 2021年 4月 長野県北部の地震(大町)
    • 2019年 6月 山形県沖の地震
    • 2018年 9月 北海道胆振地方東部の地震
    • 2018年 6月 大阪府北部の地震(高槻)
    • 2018年 4月 島根県西部の地震(大田)
    • 2016年10月 鳥取県中部の地震(倉吉)
    • 2016年 4月 熊本地震
    • 2015年 4月 ネパール地震(カトマンズ)
    • 2014年10月 長野県北部の地震(白馬)
    • 2013年 4月 淡路島付近の地震
    • 2011年 6月 長野県中部の地震(松本)
    • 2011年 3月 長野県北部の地震(栄村)
    • 2011年 3月 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)
    • 2009年 8月 駿河湾の地震
    • 2008年 6月 岩手・宮城内陸地震
    • 2007年 7月 新潟県中越沖地震
    • 2007年 3月 能登半島地震
    • 2005年 3月 福岡県西方沖地震
    • 2004年10月 新潟県中越地震
    • 2004年 9月 紀伊半島南東沖の地震
    • 2000年10月 鳥取県西部地震
    • 2000年 6月 三宅島神津島間の地震(三宅島噴火)
    • 2000年 3月 有珠山の噴火
    • 1999年 9月 台湾集集地震
    • 1999年 8月 長野県南部の地震(上高地)
    • 1997年 6月 山口県北部の地震
    • 1995年 1月 兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)
    • 1994年 4月 新潟県北部の地震
    • 1993年 5月 伊豆半島東方沖の地震



    5-1.MeSO-netで見えたコロナ禍

    • 地震計は24時間365日の揺れを観測しています。
    • そのため、市民活動に関係した多くの揺れが含まれています。
    • 2020年3月小学校が休校になって地面の揺れが小さくなったことが現れています

    図:MeSO-net観測点でのノイズ減少(毎日9時の1時間平均値)


    5-2.習志野隕石

    • 2020年7月2日に首都圏で見られ火球による衝撃波が地面を揺らしました。
    • 地面の揺れの時刻の分布から、隕石の飛行経路を高精度に算出することができます。

    図:MeSO-netで収録された衝撃波到着時刻と推定された飛行経路



  7. 問い合わせ先
    • 所属、氏名
      東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 教授 酒井慎一
    • 兼務・非常勤講師等
      東京大学 地震研究所 教授
      日本女子大学理学部数物科学科 非常勤講師
      日本大学芸術学部芸術教養学科 非常勤講師
      国立研究開発法人 防災科学技術研究所 研究員
      山梨県立富士山科学研究所 研究員
    • 電話
      03-5841-5745
    • e-mail
      coco2012qlair@g.ecc.u-tokyo.ac.jp
    • URL
      http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/coco/